ほほえましい。ある夫婦のかたち。
むかし、友人のひとりから「結婚するの」と言われた。聞けば、出会って一ヶ月にもならないらしい。相手の名前を聞いたとき「それって、忍者の〇〇？」と私がいうと、「そうなの！トミー知ってた？私、最近知ったよ！もうさらに意気投合しちゃって結婚することに❤」
名字からは推察できないが、じつは私の友人は奈良地方にいた忍者の末裔だ。そして、結婚するという相手は、時代劇ファンなら知ってる人もいるかもしれない、忍者の名字である。（双方、ハットリくんとかコウガくんではない）出会って即意気投合。あれよあれよというまに結婚までいってしまった二人だが、お互いが忍者の末裔と知ったのは結婚間際である。もう背後にいる双方の先祖がマッチングさせたとしか思えない。
そんなふたりが結婚して、10年以上たつ。お子さんもいるが、おそらくふたりが共に暮らしたのは通算1年あるかないかだ。さすが、忍者の末裔の旦那さん、仕事の関係でいつもあちこちに単身赴任している。（隠密か？）その間、友人はというと子どもと二人きりの生活が数年以上続いているわけだが、まったくの平気なのだ。「いないほうがせいせいする」とかではなく、芯から「ふつう」なのだ。まるでそれが当たり前かのように。
さすが忍者の末裔のふたりである。血だ。そうとしか、私には思えない。
こんな夫婦のかたちも、ほほえましい。
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