日本酒はおいしいが。
日本酒。好きだ。でもほとんど飲んだことがない、母方の死んだ祖父が「ちゅうきになるからやめとけ」といったからか、どうだかわからないけど、好きなのになぜか手がでない。それでずっときてしまった。
祖父の思い出はほとんどない。へそにキスして「へちょっぷー!」ということや、母に似ていること、は覚えている。いまわたしの父は孫たちから「じぃじ」と呼ばれるようになった。じぃじは孫に果てしなく優しいし、ほとんど怒らない。私にも。かといって年取って悟ったとかそういうことはなくて、話すことは十分俗っぽくて「あぁ、いつもの父だな」と思う。
祖父は思い出の中のせいだろうか、視線がどこかを見て止まっている、そんな祖父の記憶がある。なんだか怖いような。そんなことを考えているような、祖父。それが時折、父にも感じることがでてきた。気のせいかもしれない。たいしたこと考えていないのかもしれない。単に年をとるとたまにフリーズするだけなのかもしれない。
祖父がもういないように、父もいつかの日が来る。それがまだ遠くても、ある程度生きていくと、少しずつ何かふあああんとそっちの人になっていってる、ということがあるかもしれない。ひとの最後の成長期はあいまいにやってくる。
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