通りがかりの人に、私の名前をつけてもらう

お題「雪」

雪子。いちばん多かったなまえ。「通りがかりの人に、私の名前をつけてもらう。」ということをビデオカメラで撮り続ける。学生のときにやった。字まで聞かなかったから、どの「ユキコ」かはわからないけど、なんとなく「雪子」。いちばん思い出に残る風景は、雪の景色。幅のせまい道に家々が密集している。家の前は猫のひたいほどの林。雪がしんしんと降って、外に私以外立っている人はいない。重くて鈍い灰色の空。見上げると何かの羽かと思うほどの大きさの雪が、ひらひらと顔にかぶさる。誰もいない。音がしない。ただ立って、何度も振り返る。安心するくらいすべて止まっているようで、一瞬でぜんぶ崩れていくようなスリル。夜もこっそり外にでて、同じことを確認する。そんな子だった。それから十年以上経過して、何人もの他人から「ユキコ」と呼ばれて、子どもだった頃の私を見透かされているような気がした。

私の両親は雪国出身だ。そこから遠く離れたところで私は生まれ、育った。子ども時代に大好きだった本はマンモスについて。お気に入りは「シベリアの凍土で、こどものマンモスが凍った状態で発見。」のくだり。私の元となるところから、子ども時代、そして学生。私はずっと過去から現在までレイヤー状にあるのかも。自分ではみることができないけど、他人には見える。軽い羽のような雪が重なっていくみたいに。雪子、かあ。

 

にほんブログ村 子育てブログ 女の子育児へ にほんブログ村 主婦日記ブログへ にほんブログ村 その他趣味ブログ 占星術へ
にほんブログ村

スポンサーリンク